「スカウトメールやオファーレターを、AIに書いてもらってもよいのでしょうか?」
最近、このような相談を受けることが増えました。
AIに候補者の経歴や面接の記録を渡せば、あっという間に文章を作れます。内容も整っていて、言葉遣いも丁寧です。
ただ、私自身は、スカウトメールやオファーレターを書く時に、AIを使っていません。
AIを信用していないからでも、文章は人が書くべきだと考えているからでもありません。
その理由は、スカウトメールやオファーレターで時間をかけるべきことは、文章を書くことではないからです。
1. AIに任せたいと思うのは「文章を書く作業」
スカウトメールやオファーレターを作るとき、負担に感じやすいのは文章を書く作業です。
- 失礼のない表現になっているか
- 読みやすい順番になっているか
- 同じ言葉を繰り返していないか
- 候補者に気持ちが伝わるか
こうした文章の調整は、AIが得意なことです。(ここは私もAIに頼りたい部分です)
候補者の経歴や面接の記録を入力し、「魅力的な文章にしてください」と頼めば、すぐに下書きが完成します。
しかし、出来上がった文章には、次のような言葉が並びやすくなります。
- これまでの経験を高く評価しています
- 当社で力を発揮していただきたいと考えています
- 今後のさらなる活躍を期待しています
これらの言葉が並んでいる文章を受け取って、候補者の気持ちは高ぶるのでしょうか。
2. 本当に時間がかかるのは、文章を書く前
私がスカウトメールを書くときは、最初に候補者の経歴を見ます。
そして、次のことを考えます。
- どの経験に興味を持ったのか
- なぜ、この仕事とつながると思ったのか
- 候補者に、まず何を知ってほしいのか
オファーレターであれば、面接を振り返ります。
- どの発言が印象に残ったのか
- どの経験を評価したのか
- なぜ一緒に働きたいと思ったのか
- 入社後、どの仕事を任せたいのか
ここが、最も時間のかかる部分です。
そして、この内容は候補者と向き合った採用担当者や面接官にしか決められません。
文章を書く前に、この材料が揃っていなければ、AIを使ったとしても、誰にでも当てはまる文章になります。
AIを使う、使わないの前に、これらの材料が手元に揃っているか?が重要です。
3. 私がAIを使わない理由
例えば、次の材料が揃っているとします。
- 前職で、現場の意見を集めて業務改善を進めた
- 周りの人が納得できるまで説明する姿勢が印象に残った
- 入社後は、現在の業務を理解したうえで改善案を一緒に考えてほしい
この内容を伝えるのであれば、必要な文章は複雑ではありません。
面接では、現場の意見を集め、周りの方が納得できるまで説明しながら業務改善を進めた経験をお聞きしました。その姿勢を、当社でも生かしていただきたいと考えています。入社後は、まず現在の業務を理解していただき、改善案を一緒に考えてほしいと思っています。
短くてシンプルですが、この文章で伝えたい内容は伝えられます。
この文章を書くために、AIを使うべきでしょうか。
私の場合は、伝えたい内容が決まっているため、自分で書いた方が早く、その人に向けた言葉を残しやすいです。
AIは、取引先の経営者に勉強会をして欲しいと言われるほど、普段から日常使っている私ですが、使いどころは考えて使い分けしています。
4. AIを使うかどうかより、候補者に整理を任せない
AIを使わないことが正解、という話ではありません。
候補者が多い場合や、文章を書くことが苦手な場合は、AIに下書きや文章の整理を頼むこともできます。
ただし、AIを使う場合でも、出来上がった文章をそのまま送るのではなく、候補者が読む前に不要な情報を削ります。
- なぜ自分に届いたのか、最初に分かるか
- 一番伝えたいことが、説明の中に埋もれていないか
- 誰にでも当てはまる褒め言葉が入っていないか
- 候補者が次に何をすればよいか分かるか
情報を整理しないまま送ると、候補者が「何が大切なのか」を仕分けることになります。これは負担になります。
AIを使ったかどうかより、読み手に整理を任せず、送り手が伝える内容を絞ったか?が大切です。
まとめ:AIでも書ける。でも、文章を書くことが本当の仕事ではない
スカウトメールやオファーレターは、AIでも書けます。
ただし、大事なことは、文章を書く前に、その人のどこを見て、なぜ声をかけ、何を伝えるかを考える。
文章は短く、シンプルである方が、読み手には読みやすいのは明らかです。
スカウトメールやオファーレターの価値は、文章の上手さではなく、「あなたのここを見ている」を伝えることにあります。
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